◤オフィシャルレポート◢初日舞台挨拶 山田孝之、仲野太賀、玉木宏、阿部サダヲ キャスト&監督ら総勢16人堂々集結!!
「日本侠客伝」シリーズ(64年-)、「仁義なき戦い」シリーズ(73年-)などを手掛け、東映黄金期の礎を築いた脚本家・笠原和夫が1964年に執筆した幻のプロットを60年の時を経て映画化した『十一人の賊軍』が、本日11月1日(金)に公開初日を迎え、丸の内TOEIにて、初日舞台挨拶を開催したことをご報告いたします。
本作から、W主演を務めた山田孝之、仲野太賀をはじめ、尾上右近、鞘師里保、佐久本宝、千原せいじ、岡山天音、松浦祐也、一ノ瀬颯 、小柳亮太、本山力、ゆりやんレトリィバァ、野村周平、玉木宏、阿部サダヲ、白石和彌監督の16名の豪華メンバーが、“罪状札”や“篝火(かがりび)”などの装飾で映画の世界観に彩られた初日舞台挨拶のステージに登壇いたしました。
◆舞台挨拶オフィシャルレポート
「日本侠客伝」シリーズ(64年-)、「仁義なき戦い」シリーズ(73年-)などを手掛け、東映黄金期の礎を築いた脚本家・笠原和夫が1964年に執筆した幻のプロットを60年の時を経て映画化した『十一人の賊軍』が、本日11月1日(金)に公開初日を迎え、W主演を務めた山田孝之、仲野太賀をはじめとしたキャストと白石和彌監督ら16人が登壇した初日舞台挨拶が行われた。
本作は、明治維新の中で起きた旧幕府軍と新政府軍(官軍)が争った“戊辰戦争”の最中、新発田藩(現在の新潟県新発田市)で繰り広げられた歴史的事件・奥羽越列藩同盟軍への裏切り=旧幕府軍への裏切りのエピソードをもとに、捕らえられていた罪人たちが「決死隊」として砦を守る任に就く物語が描かれる。
賊軍たちの死闘を見届けたばかりの大勢の観客と、“罪状札”や“篝火(かがりび)”などの装飾で映画の世界観に彩られ異様な雰囲気を放つステージに、砦の護衛作戦の任に就く“10人の罪人と1人の侍”の十一人の賊軍として、山田孝之、仲野太賀、尾上右近、鞘師里保、佐久本宝、千原せいじ、岡山天音、松浦祐也、一ノ瀬颯、小柳亮太、本山力ら11人が初めて勢揃いしてステージに登場。
公開初日を迎えた今の気持ちとして主演の山田は、「スタッフもキャストも過酷な日々だったので、多くのお客さんに見ていただけて嬉しい」と話す。約4か月間の過酷な撮影を乗り越え、公開初日を迎えたことに喜びを噛みしめ、集団抗争時代劇でありながらも、現代にも通じる部分がある本作について「立場が違うと考え方は全く違うが、それぞれが自分の正義で戦っている。それはいつの時代も変わらない」と作品に込めた思いを語った。山田とW主演の仲野は、剣術道場の道場主で剣術の達人という役どころを演じているが、殺陣の稽古や戦闘シーンの撮影を振り返り、「殺陣に関してはほとんど初心者だったので、アクション部と賊のみなさんと力合わせてできたので、ホッとしています」と、一筋縄ではいかなかった胸の内を明かした。そんな仲野に対し山田が「あのとき指飛んでたけど、治ってよかったね(笑)」とボケると、「現代の医療技術はすごいですね!」とボケ返し、観客から笑いを取っていた。
撮影現場で一番の盛り上げ役について話が及ぶと、賊軍の中では一番のお調子者でイカサマ師・赤丹を演じた尾上は「決められないので、多数決で決めますか?」ととぼけていると、「誰でもええわ!」と千原のツッコミが飛ぶ。
賊軍メンバーを献身的に支える紅一点のなつを演じた鞘師は、MCから「賊」の男性陣との過ごし方について聞かれると「みなさん本当に仲が良くて、今日も舞台袖でずっとおしゃべりしていて、“シーッ!”とされている瞬間もあった」と直前のエピソードも交えて話し、撮影現場から変わらずの仲の良さを見せつけた。
そんな仲良しの賊軍メンバーだが、その絆は過酷な撮影を共に乗り越えて築いたもの。政(山田)の脱獄を手伝った脱獄幇助の罪で捕まった罪人のノロを演じた佐久本が撮影時の思い出として、「痛いし寒いし、本当に罪人の気分で・・・。山田さんの衣装なんて、カーペットで出来ていた」と山田の衣装について話すと、山田も「俺らは暑い寒いに加えて、臭いもあったよな…」と裏話を明かす。数々の女性を手籠めにした罪を犯した坊主・引導役の千原は「そんな過酷な現場に、吉本興業は一度も差し入れに来ず…」と愚痴が止まらない様子で、尾上から「ちょっとせいじさん、時間がないんで」と愚痴を遮られる場面も。また、強盗殺人の罪を犯した爺っつぁん役を演じ本作では素晴らしい殺陣を披露した本山は「過酷なことは多々あったけど」と前置きしながらも、「橋のシーンがね。揺れましたね。僕、(揺れすぎて)走れなくなって」と振り返りニコニコ。これにもすかさず尾上が「“時がねえ!”ってセリフ言ってる自分が、一番時間使ってたんだよね(笑)」とフォローし、笑いが起きていた。医学を学ぶためにロシアへ密航を試みた罪人役の岡山が「山田さんがみんなで泊まれる宿を用意してくださって助かりました」と撮影時の山田の粋な計らいに感謝すると、山田は「もっとみんなと一緒にいたくて…」と照れながら宿を用意した理由を明かす場面も。また無差別に村人を大量に殺害した辻斬役で元相撲取りの小柳も、「居心地が良すぎて、撮影後にちゃんこ鍋の炊き出しをさせてもらった」とクランクアップ後にも撮影現場に顔を出してメンバーを激励していたエピソードを話し、過酷な中でも和気藹々とした時間を過ごしていたようだ。
ほかにも「素晴らしいスタッフに支えられ・・・。俺、こういう場、苦手なんだよお」と晴れの舞台でひたすら恐縮する、一家心中の罪人役・松浦や、仲野が“おもんな侍”というキャラクターを作って岡山を笑わせていた話、侍の女房と恋仲になる禁忌を犯した二枚目役の一ノ瀬が、「天音さんと一緒に撮影現場までバスに乗せてもらえるという話だったのに、集合場所についたらバスがもう出発していて置いて行かれた」という賊らしからぬエピソードも飛び出し、ステージはキャストが話す思い出話で収集がつかないほどに。
本編で見せた賊の顔とは打って変わった和やかなトークを繰り広げられていると、続いて、新政府軍(官軍)から玉木宏、新発田藩から阿部サダヲ、野村周平、本作の監督を務めた白石和彌が登場し、ステージはさらに華やかに!
MCから白石監督がインタビューで「阿部サダヲさんは絶対に人を殺していると思う(笑)」と話していたことが明かされると、阿部は「プ、プライベートで、ですか!?今のところ証拠がないので捕まっていないです…」と会場の笑いを誘った。映画『死刑にいたる病』に引き続き、本作でも新発田藩城代家老の溝口内匠(みぞぐちたくみ)という冷酷な役どころについて、「あんなに返り血を浴びるとは思っていなかった。今日鑑賞した友達からも“溝口~!(阿部が演じた役名)”とLINEが来た。すいませんでした」と話し、会場を盛り上げていた。
また、新政府軍(官軍)の先方総督府・参謀で山縣狂介という実在する歴史上有名な役を演じた玉木は、「白石さんとずっとお仕事したかったので嬉しかった」と出演のオファーを受けた時の喜びを語り、演じる上で重視したこととして、「賊軍の皆さんとのコントラストをつけました。最後まで綺麗でいるんですけど(笑)」と語り、「撮影は“楽しい”しかなかった!賊軍の皆さんの大変な現場には参加してないので、参加したかったな~」と話すと、千原が「仲野くんなんて、記録的な豪雨でびちょびちょになったハンバーガーを食べてたんやで!?」と想像以上の過酷さを暴露しながらツッコんでいた。決死隊隊長の新発田藩士・入江数馬を演じ、罪人たちを指揮する立場として「賊軍」とともに過ごすシーンが多かった野村は、「実際の現場は和気藹々としていて。でも、僕だけはしっかりやらせていただきました!」と自信たっぷりに話すと、「ほんとお前いい加減にしろよ!」と仲野が絡み、「なんだこの野郎!」「好きだよ!」「俺もだよ!」と、仲良しな様子を見せつける。山田とも「ふたりで家で過ごしたよね。ベランダで星キレイだねって話したよね」とラブラブな野村は、「賊軍」たちとの再会に嬉しそうだった。
キャストたちのそれぞれの魅力を感じる本作だが、夜の戦闘シーンや悪天候の中でのシーンなど、撮影は苦労が尽きなかったという。撮影当時を振り返り、白石監督は「(登場人物が多いので)芝居を一度に見るのが大変だった。でも集団で芝居しているということが、一番楽しいところでもあった」と話し、無事に公開を迎えたことに安堵の表情を浮かべていた。白石監督の言葉を受けて仲野は、「確かに大変。だけど監督の目がどんどんキラキラしていく。そんな監督の顔を養分にしながら、我々はドロドロになっていった」と話し、これには監督も「このキャストじゃないと、この映画はできなかった」と断言。キャストと監督の信頼関係が垣間見えた瞬間だった。
今日のゲストはこれだけじゃない。本作で新発田の村娘役を演じ、『極悪嬢王』での快演も記憶に新しいゆりやんレトリィバァが、焙烙玉(ほうろくだま)を持って登場し、会場からは喜びの声が上がった!登場するやいなや、「今日はおにぎりではなくて、焙烙玉でした~」とひとボケ。同じ白石監督が手掛けた作品の『極悪嬢王』でのヒール役とは真反対の、戦で疲弊する兵士たちに明るくおにぎりを配る村娘役を演じたことについて聞かれると、「非常にありがたい思いです・・・」と泣きまねから二重まぶたにして見せる変顔を披露し、会場を笑わせた。実は本作では物語の鍵となるこの焙烙玉。ゆりやんレトリィバァが笑顔でキャストと監督に配り歩き、MCの掛け声で客席に向かって投げ込むサプライズで会場を沸かせた。
最後に登壇者を代表してW主演の山田と仲野から「なんとか生き抜こうとする人々の生き様、死に様が描かれている。どうかたくさんの人に見ていただきたいと思っています」(仲野)、「この映画に出てくる人たちのように、相手の立場になって考えられると穏やかに生きられるかなと思います」(山田)と、日本を超えて世界にも届けたい本作への思いを語り、山田と仲野の「この秋は『十一人の賊軍』!」の掛け声に合わせて“大ヒット祈願”のキャノン砲が会場に撃ち放たれ、盛大な拍手に包まれてイベントは幕を閉じた。